
目的
「12ステップで作る組込みOS自作入門[1]」に沿ってCQ_V850[2]にKOZOS[3]を移植することでKOZOSの理解を深めるとともにV850の使い方を身につけます。 また、Langurが他のターゲットへのポーティングの基盤を構築することを目的とします。
この中では上記書籍のことを「12ステップ本」と称することにします。
CQ_V850とは
CQ_V850とはInterface 2007年 5月号の付録基板です。 CPUには32bit RISC プロセッサの V850ES/JG2(μPD70F3716GC) が採用されており、CPUの逓倍回路を動作させることで20MHzで動作します。 また、USBバスパワーで動作するため別途電源を用意しなくても動作可能です。
μPD70F3716GCは256kBのFlashROMと24kBのSRAM、そして多くの周辺機能を内蔵しています。 周辺機能の一つにシリアルインタフェースがあります。 μPD70F3716GCには3つ持っており、CQ_V850ではそのうち1つにUSB-シリアル変換ICが接続されているのでPCのUSBポートに接続するだけで通信できます。

図1. CQ_V850
なぜCQ_V850?
Langurの部屋には雑誌の付録基板が何種類か未作成のままあります。 そのうち1つがCQ_V850でした。正直、2011年10月時点では入手の難しい基板かもしれません。 V850はこれまでまったく関わったことが無いCPUでLangurのポーティングの勉強になるだろうと選ぶことにしました。
Contents
- 移植時のメモ...(2011/07/25)
- 1stステップ 開発環境の作成...(2011/10/16)
- 2ndステップ 開発環境の作成...(2011/10/31)
- 3rdステップ 静的変数の読み書き...(2011/10/31)
- 4thステップ シリアル経由でファイルを転送する...(2012/02/19)
- 5thステップ ELFフォーマットの展開...(2012/02/19)
参考文献
- 坂井弘亮, 12ステップで作る組込みOS自作入門, カットシステム, 2010
- 吉田幸作, V850基板で始める組み込みプロセッサ入門, インタ-フェ-ス, vol. 33, no. 5, pp. 56-66, May. 2007
- 坂井弘亮, KOZOSとは?, モノづくりが大好き! のホームページ, 2007